不器用な男の子は

 

 アフリカのヒョウです。母親は初産です。彼は一人っ子。

生後11ヶ月にもなって、まだ母親から狩りから帰って来るのを待ち、獲物をもらっています。

母親はわざと木の上のほうにおいて、狩りの訓練をします。

が、彼はせっかくの獲物を落としてしまいます。

体はもう、母親より大きくなっていますが、独り立ちしません。

 

 母親が繁殖可能な時期になり、縄張りでマーキングしました。

彼の父親が匂いをたどって、母親の縄張りの中に入ってきました。

母親は少しずつ息子から距離を置くようになります。いよいよ独り立ちの時。

 

 ちょうど、シマウマが移動・出産するときでした。

死んだ子供のシマウマを見つけ、地面に埋めて隠そうとしますが、ヒヒが追いかけてきます。

いつまでも母親頼みだった彼は、牙をむいて威嚇します。

だんだん狩りの腕前も上がっていきます。木に登り枝の陰に獲物を隠すことも覚えました。

 

 ついに、沼のそばで草に隠れて狩りをすると、成功率が高くなりました。

そこを縄張りにして生きていきます。

これ、以前見ましたよ。2011年ボツワナではヒョウは保護されていますが、国によってはそうではないと。

毛皮目的でヒョウが狩られ、生息数が70万頭から5万頭にまで減った、

そういう人間に関心があるのは、美しい毛皮をまとった己の姿だけであると。

以前読んだヨーロッパが舞台の本には、貴族に狩猟が趣味の人もいました。

あらゆる手段を用いて、絶滅を免れさせてほしいです。

ちょっと期待外れ

 

 世界大自然紀行は、カナダでした。鮭がいかにカナダの自然を支えているか、という内容でしたが、

先週の放送分とだぶるところがあって、敢えて見なくてもよかったかなと思いました。

鮭は産卵のために自分が生まれた川に帰るが、その間は何も食べないとか、

オオカミやクマは、鮭の頭部や卵しか食べずに捨ててしまうけれど、死骸は森の木々の肥料になるとか、

ビッグホーン(オオツノヒツジと言っていました)のオスがメスをめぐって角をぶつけあうとか。

反対に先週わからなかったのは、西部の太平洋は栄養分が豊富なためシャチが鮭を食べにくること、

先住民族は鮭の受精卵を川で集めて、苔を敷いた箱に入れて別の川にもっていき、苔ごと川の中にそっと入れて

どの川でも卵がかえるようにしていること。

鮭は北極圏の準州立公園の川までぼろぼろになりながらのぼってくること。

自然の営みが気が遠くなりそうなほど長い時間繰り返されて、現在の地球があるのですよね。

 

 

 ビッグキャットスペシャルは、シベリアトラ。

最初の放送は1997年だったかな、古いのです。東シベリアの森にある保護区で、米ロ合同調査チームが

絶滅から守るために奮闘していました。

縄張りはどのくらいの広さなのか、1日に必要なエサの量はどれくらいか、人間を襲うのかなどのデータをとるために

わなを仕掛けて鎮静剤で眠らせて、発信機が付いた首輪をつけます。

発信機のバッテリーは2年で交換しなければならないため、ヘリに乗り、アンテナで電波を拾い、

トラを探します。けれど、こんにちならソーラーバッテリーとかもっと違う方法があるだろうなと

冷めた目で見てしまいました。

2005年現在でシベリアトラの生息数は400頭ですから。継続調査はしているのでしょうか。

2016年現在で何頭よ、とつっこんでしまいました。

 

大きな群れのはなし

 

 アフリカ、セレンゲティ国立公園。

オス2頭、メス8頭、子ライオンと若者12頭の大きな群れ=スーパープライドがいます。

縄張りにはシマウマやヌーなどの獲物が豊富です。

そのため繁殖が促されます。

健康で強靭な2頭のオスがいます。とはいえ、リーダーは2〜3年で交代します。

縄張りには木も多く、赤ちゃんの隠し場所に困りません。母親の数が多いので、授乳や子守など

役割分担をして子育てができます。子供は守らなくてはならないけれど、狩りにも行かなければというジレンマがないのです。

このような理由で、スーパープライドができるのだそうです。

 

 もちろんいいことばかりではなく、縄張りに侵入者が現れることもあります。

2頭の子ライオンが迷い込んできました。メスはこのようなとき、たとえ子供でも殺します。

でも、メスは一瞬ためらいます。迷子ちゃんたちの母親が子供たちを呼びます。

大人同士はお互いの匂いで、迷子ちゃんたちの母親が、スーパープライドを出て行ったメスだとわかります。

1度スーパープライドを出ていくと再び戻ることは許されません。

迷子の親子は無事に自分の群れに帰ります。

群れを持ったオスは、縄張りのパトロールをしなければなりません。

その間メスたちだけで群れを守ります。そこへ2頭の放浪オスが現れます。群れを乗っ取るチャンスです。

メスたちは必死で放浪オスに吠えます。その勢いに圧倒され、放浪オスはすごすごと退散します。

 

 成長したメスは新しく自分たちのプライドを築き、オスは放浪オスとなってよその群れを自分の群れにします。

群れは簡単に手に入りません。群れのリーダーオスを倒さなければならないのです。

そうやってプライドは受け継がれていきます。

群れを維持するのは大変です。でも、群れを作らず単独で頑張っているビッグキャットが好きだなあ。

セレンゲティとは、果てしない平原という意味。なるほど、そのとおりです。眺めがよさそう。

スペインオオヤマネコを救え

 

 スペインオオヤマネコは、ドニャーナ国立公園とシエラ・モレナ山脈ふもとの鳥獣保護区に

生息しています。

獲物となる野生のウサギが好む植物の代わりに、オリーブやイチゴなど農作物を栽培してきたため、

絶滅寸前です。また、ウサギが伝染病に感染していることもその一因です。

そこで、2つの生息域のスペインオオヤマネコを人間の手で繁殖させ、野生に帰す

プロジェクトが発足。 農場で野生のウサギを捕まえてきて保護区で放し、

捕獲させます。ウサギが入ったケージごと置いておくこともあります。

地道な努力は実を結びつつあります。

 

 しかし、国立公園内に道路が建設されている、毒を入れたエサやわなを仕掛けるなどの

問題もあります。ヨーロッパオオヤマネコよりもずっと小さいのですが、ヤマネコなので

家畜を襲うという誤った認識や偏見があるのかもしれません。

山の中のデエサという牧草地にも生息できるよう、安全で平穏な環境がもっと必要です。

一度絶滅すると、もう二度と目にすることはできないので、保護プロジェクトのスタッフのみなさん

どうか挫折しないで。このプロジェクトが成功すれば、ほかのビッグキャットの保護活動にも

応用できるかもしれないので。

ミルク殺人と憂鬱な夏 中年警部クルフティンガーシリーズ

 

 作者:フォルカー・クルプフル、ミハイル・コブル 翻訳者:岡本朋子 ハヤカワ文庫

 

 ドイツ南部アルゴイ地方、アルトゥスリートの町で殺人事件が起こります。

被害者は、ケルンで働いていたがアルゴイに戻って来た、フィリップ・ヴァハター。
食べることが好きなクルフティンガー警部は、連絡を受けてもしっかり夕食を食べてから

現場に向かいます。死体が苦手な警部は、すぐにそのことを後悔します。

捜査が進む中、警部は被害者の娘から子供の頃親密にしていた

家族の話を聞き、その家族からも事情を聴こうと小さな町のチーズ工場へと向かいます…。

 

 警部はときどきドジを踏むキャラクター。食べることもチーズも大好き。

古い農家を夜じゅう見張るため、張り切って食べ物を準備しますが、その時の

ドジぶりはもう最高。

しかし、ちゃんと仕事はできる人です。

ただ、妻エリカはねえ、どうも好きになれません。

古臭い迷信は心底信じているくせに、夫が日曜日に仕事に出かけるからと言ってヒステリーを起こす。

あなたのご主人は、殺人事件を捜査している警部さんなのですよ。

 

 事件の鍵を握るのはアルバム。友人たちとの他愛ないおしゃべりが、事件の背景を教えてくれることもあります。

ドイツではテレビドラマも放送されるほど人気作だそうですね。

でも、たぶん次回作からは読まないと思います。主人公の妻が苦手なので。